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エネルギーを感じてもらえるような作品を

2008/7/4 金曜日

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● 覚和歌子 Wakako Kaku

 

早大第一文学部文芸専攻卒。大学卒業と同時に作詞の仕事を始める。SMAP、小泉今日子、沢田研二など多くの作品をCD化。
また、「朗読するための物語詩」という独自の分野を開拓し、評価を受ける。 01年「千と千尋の神隠し」主題歌「いつも何度でも」(作曲/歌・木村弓)の作詞でレコード大賞金賞受賞。
著作に、第一物語詩作品集『ゼロになるからだ』、翻訳絵本『ねんどぼうや』など多数。04年にはソロアルバム『青空1号』をリリース。自らのバンドを率いて定期的にライブ活動も展開中。

 

 

「♪生きている不思議 死んでいく不思議…このフレーズを書いている間、感情とは無関係に、涙が止まらなくて。」

 

今回は、宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』の主題歌『いつも何度でも』をはじめ、多ジャンルでの作詞、国内外での朗読等幅広く活躍されている詩人の覚 和歌子さんにお話を伺った。

 

<好きなことを仕事に>

 

「学生時代も、今とやっていることはあんまり変わりませんね。バンド活動、芝居作り、文芸同人誌発行と、スポーツ以外の興味あることは全部手をつけてました。」
と学生時代を振り返る覚さん。そんな多岐に渡る活動の全てが、今のお仕事に繋がっているのだろう。

 

「今でもどこからが仕事でどこからが遊びかわからない。宮崎駿さんが“ものづくりの仕事をしていて他に趣味があるのはおかしい”とおっしゃっているんですけど、まったく同感です。」

 

そんな覚さんにも不安があった。
「いくら好きなこととは言え、この仕事が自分に向いてなかったらどうするんだということは、若い頃はいつも頭の隅っこに不安としてあるんですよ。母親にしつこく仕事を変えろと言われても、まあ実際売れてないわけだから言い返せない。ものすごいストレスの日々だったけど、こういう仕事のほとんどの人が抱える、ジレンマだからしょうがないんです。」

 

<“生かされている”という実感>

 

詩人・覚和歌子としてのチャンネルが切り替わったのは31歳。
「あるきっかけがあって、それまでは、ただ自分のことしか考えていなかったんだ、ということに気づいて愕然としたんです。それから世の中の役に立つ、というところから、生きる意味とか仕事のありかたを問いつづけていくうちに、ああ、生かされているってこういうことだったのか、と。このことが実感できたときに感謝という言葉の深さも同時に知った気がします。」

 

何か自分ではないエネルギーにつき動かされて成った自分の作品によって、元気、励ましという、プラスのエネルギーが知らない誰かにも移動していく。そうやって循環して、みんな一緒に生きている、と気づいたことで、覚さんは自身を再生させる。

 

そして誕生したのが『いつも何度でも』だった。
「傑作の定義・・ 例えば、あとから何度聞いても、これって一体どこから出てきたのだろうという、アイディアの源泉のわからなさ、新鮮さを持った作品のことかな。31歳以降の作品には、温もりや透明感の質が違う。」と語る。

 

<学生へのメッセージ>

 

「できるだけ自分の好きなことを仕事に選んでください。好きなことを通してする、人や社会に対する貢献には、責任感はあっても忍耐や努力感のストレスがない。あきらめからはぜったいに人生を決めないでほしい。挑戦してだめだったらまたそこで立ち止まればいいんです。誰の人生にも近道というものはないんだから、早めに遠回りしておいて、後悔なく、死ぬときに笑って死ねたほうがいいんです。格闘する方が生きる味わいだと言うには勇気がいるけど。」